ナラティヴ・ セラピーの魅力は、人に困難や苦悩を与える問題について、誰かを責めたりすることなく、そして何よりも、どれほどその問題が大きくても相手の内に希望の光が見えてくる会話を提供できることにあります。
人には必ずや可能性があるのだという信念と、それについて語ることを可能にすることばの使い方によって、その希望を相手とともに掘り当てていくのです。
興味深いことに、普段日常的に繰リ返される語りは、問題がその場に問題として留まることに貢献していることがあります。つまり、そのような会話をどれほど続けても、問題は問題として存続するのです。そして、その問題に圧倒され、話すことも難しく なっていきます。
一方でナラティヴ・ セラピーは、問題を存続させていくような会話から離れ、問題を解決するというよりも、問題の存在意義が揺らぐような会話を提供しようとします。
これは、心理療法の場だけで有効なものではありませんので、今回はできるだけ広い領域の人びとを対象としたワ クショップ を企画いたしました。